KPTなどのふりかえりを行なうチームも多いと思うが、そういったふりかえりでなにか問題をあげるときはその問題が個人の問題なのか、チームの問題なのかを区別したい。

というのも、個人レベルの問題をチームレベルの問題として扱うと、変に大袈裟な話になってしまい、適切な解決策が導き出せないと思うからだ。

例えば「Pull Requestがレビューされず、進捗を出すことができない」と問題をあげた人がいるとする。これに対して「じゃあみんなで毎日同期的にレビューする時間を用意しよう」とか「レビューされないときはメンションしてレビューを促そう」という解決策が思い浮かぶかもしれない。

でも、実はその人のPull Requestが普段から粒度が大きくレビュー負荷の高いものだとしたら? その人以外のPull Requestは適切にレビューされているのかもしれない。そのような状況の時に、さきほどあげた解決策は適切なものだろうか? もしかしたらチーム全員を巻き込むのではなく、その人が自分の行動を変えるだけでよいのかもしれない。

また、個人の問題をチームの問題として話をしてしまうと、その人へのフィードバックの機会が失われてしまう。自分に問題があったことを気づけないままだ。

もちろん、個人の問題をチームで解決してはいけないということではない。問題 vs 私たちであるべきだと思う。今回の例も、ペアプロしながら適切なコミットやPull Requestの分け方を伝えることで、本人のスキルを伸ばすことができるかもしれない。他にもチーム内でより適切な解決策を一緒に考えたり、サポートしたりすることもできるだろう。

今回は個人の問題をチームの問題として扱ってしまう例をだしたが、逆のパターンもあるだろう。

この話は別の言い方をすると、問題の芯をしっかり捉えよう、ということなのかもしれない。自分が問題としていることが、どこから生まれているのか、なにが理由で起きているのか、しっかりと見極めるように心掛けたい。